河内おとこ節

私が生まれ育った鳥羽市には、人々が暮らす4つの離島があります。
昔は離島ごとに、それぞれの習慣やしきたりがあり、結婚式の形式や
方法などが異なっていたようで、今でも稀に地域の伝統的な
披露宴をされる方もいらっしゃいますが、現在は、結婚式場や
ホテルでの結婚式、披露宴がほとんどんの為、離島の昔ながらの
地域色は薄れてきているように感じます。

そんな中、新郎または新婦が菅島出身という披露宴になると、
必ずと言っていいくらい、河内おとこ節を踊っても盛り上がり
ます。音楽はカラオケで歌い手が1人か2人、あとはこの離島で
暮らす新郎または新婦のお母さまを先頭に、親戚の方々
ご友人、男性も女性も会場内を列になって移動しながら踊ります。
もちろん新郎、新婦も参加し、踊りを知らない離島以外の方々も
自然に列に加わって見よう、見まねで踊ります。

この離島ではいつの頃からか、お祝いの席で、この曲をみんなで
踊るようになったそうです。

いつもこのシーンを見ると、島の方々の笑顔から、そのあたたかさが
伝わってくるようで、胸がいっぱいになってしまいます。

昔ながらの習慣やしきたりではなく、また、昔ながらの祝い唄でもなく
新しい形での地域色が感じられる菅島の披露宴。

特に、離島に嫁ぐ新婦にとって、これからの島での生活に少しばかり
不安があるとしても、河内おとこ節の軽快で元気なリズムと
島の方々のあたたかさで、新婦の心もすぅ~っと軽くなっていくように思います。

菅島のみなさん、今度は私も心を一つに、一緒に踊らせてくださいね。

                               Shima